死亡による損害について


自賠責保険

「死亡による損害」に対しては、(1)葬儀費(2)逸失利益(3)慰謝料が支払われる。
ただし、加害車両が1台の場合、被害者1名につき、3,000万円が限度となる。
(加害車両が2台なら、3,000万円×2台=6,000万円が、3台なら3,000万円×3台=9,000万円が限度になる。)

(1)葬儀費+(2)逸失利益+(3)慰謝料=「死亡による損害」の積算額


※自賠責保険における減額規定の適用をする場合は、積算した損害額または保険金額(3,000万円)のいずれか低い額から減額(20%、30%、50%)を行う。

(1)葬儀費
60万円が基準となっている。
立証資料等により60万円を超えることが明らかな場合は、社会通念上必要かつ妥当な実費が支払われる。

(2)逸失利益
(財産的損害)
次の算式で算出する。

遺失利益=(収入額(年収)−本人生活費)×就労可能年数に対応する新ホフマン係数


収入額(年収)
「年齢別平均給与額」によって次のように定める。
a.有職者で現実収入額の立証が可能な者 過去1か年間における収入額と後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額のいずれか高い額
b.有職者で現実収入額の立証が困難な者・家事従事者・18歳以上の学生 後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額
c.上記a.b.以外の働く意思と能力を有する者で被扶養者がいるとき(注) 18歳の平均給与額の年相当額と後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額の50%のいずれか高い額
d.上記a.b.以外の働く意思と能力を有する者で被扶養者がいないとき・幼児・18歳未満の学生 18歳の平均給与額の年相当額

(注)被扶養者がいるときとは、次の場合をいう。

被害者が男子の場合 配偶者、未成年の子、65歳以上の父母いずれかがいる場合
被害者が女子の場合 配偶者がなく、かつ、未成年の子、65歳以上の父母のいずれかがいる場合
上記外の場合であっても「未成年の兄弟姉妹」等を扶養している場合

本人生活費

立証が困難な場合で 被扶養者がいるとき 収入額の35%
被扶養者がいないとき 収入額の50%

(3)慰謝料
慰謝料は、死亡本人分に遺族分を加えた額を支払う。
●被害者に被扶養者がいるときは、遺族分に200万円を加算する。
慰謝料 死亡本人分350万円 遺族分 請求権者1名 被扶養者なし 500万円
被扶養者あり (500+200)=700万円
請求権者2名 被扶養者なし 600万円
被扶養者あり (600+200)=800万円
請求権者3名以上 被扶養者なし 700万円
被扶養者あり (700+200)=900万円

※遺族=被害者の父母、配偶者、子。養父母、養子を含む。

(4)死亡に至るまでの傷害による損害
  • 即死でない場合は、「死亡による損害」のほかに「傷害による損害」(加害車両1台・被害者1名120万円限度)も支払われる。

対人賠償保険(任意保険)
  • 「死亡による損害」に対しては、前記の自賠責保険同様、葬儀費、逸失利益、慰謝料が支払われる。
  • 積算の省略はできない。

(1)葬儀費
自賠責保険に同じ。

(2)逸失利益
(財産的損害)
次の算式で算出する。

遺失利益=(収入額(年収)−本人生活費)×就労可能年数に対応する新ホフマン係数またはライプニッツ係数

収入額(年収)
管轄する地方裁判所において用いられる方法等を参考として認定されるが、その方法が明確にされていない場合は、裁判の動向等を考慮し、妥当な方法により認定される。
本人生活費
被扶養者の人数に応じて認定され、収入額の30%〜50%
新ホフマン係数
新ホフマン係数とは、中間利息を年5分の年毎単利計算で差し引いた係数のこと。
ライプニッツ係数
中間利息を年5分の年毎複利計算で差し引いた係数のこと。

(3)慰謝料

被害者の職業・年齢等、特にその被害者の死亡によって家庭に及ぼす影響および裁判における動向などを考慮のうえ、妥当な額が認定される。

(4)死亡に至るまでの傷害による損害