●賠償請求権者と損害賠償の範囲について
賠償請求権者

次の者が損害賠償請求権者となる。

事故の種類 損害賠償請求権者
(1)傷害事故 被害者本人
次の場合は、被害者本人ではなくても請求できる。
a.治療費などを支払った近親者
b.使用人に休業中の給与を立て替え払いした使用者
c.被害者の重大な傷害によって、精神的苦痛を被った近親者(慰謝料の請求)
(2)死亡事故 相続人(死亡者の遺失利益・慰謝料などの請求)
被害者の父母・配偶者・子(慰謝料の請求)
※被害者の死亡によって精神的苦痛を被ったその他の遺族についても、慰謝料の請求が認められることがある。
死亡者に扶養されていた者で相続人とならなかった者(内縁の妻など)
葬儀費や死亡までの治療費を立て替え払いした遺族
使用人に死亡に至るまでの休業中の給与を立て替え払いした使用者
(3)物損事故 財物の所有者
財物の正当な利用権利者

相続人と相続順位

死亡者に配偶者がいるときは、その配偶者は常に相続人になる。
死亡者に子があれば、配偶者とともに第一順位で子が相続人となる。
※子が相続開始以前に死亡していて、その子に子(死亡者から見て孫)があれば、孫がその親(死亡者の子)の分を代わって相続する(代襲相続)。
死亡者に子がいないときは、配偶者とともに、第二順位として死亡者の父母(直系尊属)も相続人になる。
※父母がいないときは、祖父母等の親等の近い直系尊属が相続人になる。
死亡者に子も父母(祖父母等の直系尊属を含む。)もいないときは、配偶者とともに、第三順位として死亡者の兄弟姉妹も相続人になる。
※兄弟姉妹で既に死亡している者があるときは、その子が親の分を代わって相続する。

賠償額の範囲

事故の種類 損害の分類 損害の内容
(1)人身事故 積極的財産損害
(被害者が現実に支出を
余儀なくされた損害)
治療関係費(治療費、看護費、通院費など)
葬儀費
消極的財産損害
(得べかりし利益)
治療期間中の休業損害
後遺障害による将来の遺失利益
死亡による将来の遺失利益
精神的損害
(慰謝料)
被害者の肉体的、精神的苦痛を慰謝するもの
※死亡の場合は、被害者の父母・配偶者・子は、それぞれ固有の慰謝料請求権を持つ。
(2)物損事故 直接損害 被害を受けたものの損害
車両修理費・建物修理費など
間接損害 休車損害、代車費用、商店等の営業損失など