後遺障害による損害について


自賠責保険

後遺障害が残った場合は、「傷害による損害」の他に「後遺障害による損害」が支払われる。

  • 「後遺障害による損害」の支払額は、(1)逸失利益(財産的損害)と(2)慰謝料等にわけて計算された額の合計額である。
  • 「後遺障害による損害」の支払額は、加害車両が1台の場合、被害者1名につき、次の保険金額が限度となる。(加害車両が2台なら2倍、3台なら3倍が限度となる。)

後遺障害等級別金額表

後遺障害等級
保険金額
後遺障害等級
保険金額
第1級
3,000万円
第8級
819万円
第2級
2,590万円
第9級
616万円
第3級
2,219万円
第10級
461万円
第4級
1,889万円
第11級
331万円
第5級
1,574万円
第12級
224万円
第6級
1,296万円
第13級
139万円
第7級
1,051万円
第14級
75万円

詳しくは「後遺障害別等級表」参照。

(1)逸失利益+(2)慰謝料等=「後遺障害による損害」の積算額

自賠責保険における減額規定の適用をする場合は、積算した損害額または保険金額(上表)のいずれか低い額から減額(20%、30%、50%)を行う。
積算の省略
自賠責保険では、「後遺障害による損害」と「死亡による損害」については、積算額が該当等級の保険金額を明らかに超える場合、積算を省略し、保険金額が損害額として支払われる

(1)逸失利益(財産的損害)
次の算式で算出する。

遺失利益=収入額(年収)×
労働能力喪失率×就労可能年数に対応する新ホフマン係数

収入額(年収)
「年齢別平均給与額」によって次のように定める。

a.有職者で現実収入額の立証が可能な者 過去1か年間における収入額と後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額のいずれか高い額
b.有職者で現実収入額の立証が困難な者・家事従事者・18歳以上の学生 後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額
c.上記a.b.以外の働く意思と能力を有する者で被扶養者がいるとき(注) 18歳の平均給与額の年相当額と後遺障害確定時の年齢に対応する「年齢別平均給与額」の年相当額の50%のいずれか高い額
d.上記a.b.以外の働く意思と能力を有する者で被扶養者がいないとき・幼児・18歳未満の学生 18歳の平均給与額の年相当額

(注)被扶養者がいるときとは、次の場合をいう。

被害者が男子の場合 配偶者、未成年の子、65歳以上の父母いずれかがいる場合
被害者が女子の場合 配偶者がなく、かつ、未成年の子、65歳以上の父母のいずれかがいる場合
上記以外の場合であっても「未成年の兄弟姉妹」等を扶養している場合

(2)慰謝料等

後遺障害が残った場合の慰謝料等は、該当する等級ごとに次の金額が認められる。
後遺障害による慰謝料等

第1級 被扶養者あり 1,250万円 第4級 687万円 第10級 184万円
被扶養者なし 1,050万円 第5級 580万円 第11級 134万円
第2級 被扶養者あり 1,088万円 第6級 484万円 第12級 92万円
被扶養者なし 918万円 第7級 399万円 第13級 57万円
第3級 被扶養者あり 941万円 第8級 317万円 第14級 32万円
被扶養者なし 797万円 第9級 241万円


対人賠償保険(任意保険)
  • 「後遺障害による損害」は、逸失利益(財産的損害)、慰謝料、将来の介護料およびその他の損害が各別に算定される。
  • 現実に労働能力の減少または喪失、あるいは収入の減少が認められない場合は、後遺障害による逸失利益は認められない。
  • 将来の介護料は、後遺障害別等級第1級3号・4号に該当する者およびこれに準ずる者について認められる。

(1)逸失利益(財産的損害)
被害者本人の収入額に、後遺障害該当等級の労働能力喪失率および労働能力喪失期間(年数)を乗じ、その間の中間利息を控除して算定される。

遺失利益=収入額(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する新ホフマン係数またはライプニッツ係数

解説 −

収入額(年収)
管轄する地方裁判所において用いられる方法等を参考として認定されるが、その方法が明確にされていない場合は、裁判の動向等を考慮し、妥当な方法により認定される。
労働能力喪失率
「労働能力喪失率表」を参考にし、障害の部位、現実の減収額等を勘案して、妥当な労働能力喪失率が認定される。
労働能力喪失期間
障害の部位、被害者の職種等を勘案して、妥当な労働能力喪失期間(年数)が認定される。
新ホフマン係数
新ホフマン係数とは、中間利息を年5分の年毎単利計算で差し引いた係数のこと。
ライプニッツ係数
中間利息を年5分の年毎複利計算で差し引いた係数のこと。

(2)慰謝料
障害の部位・程度に応じ、「後遺障害別等級表」を参考にして、被害者の性別・年齢・職業および裁判における動向などを考慮のうえ、妥当な額が認定される。