損害賠償と社会保険について
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損害賠償と労災保険

労災保険の保険給付は、業務上の災害(仕事中の負傷・病気・死亡等)によって生じた損失の填補を目的としており、一方、民法上の損害賠償は、加害者の不法行為によって生じた損失の填補を目的としている。そこで、労災保険は、第三者行為災害の場合には、責任負担の公平を期すためと重複填補をさけるために、次のように、特に調整のための規定を設けている。
(1) 加害者の不法行為による業務上の災害について、被災労働者またはその遺族に対し労災保険給付を行った場合、政府は、被災者またはその遺族が加害者に対して有している損害賠償の請求権を代位取得して、加害者に対してその権利を行使する。
(2) 被災労働者または遺族が第三者より損害賠償を受けた場合には、労災保険では、その価額の限度で保険給付を行わない。
上記によって損害賠償と保険給付の調整が行われるが、いずれの場合にも、調整の対象となるのは、保険給付と同一の事由に基づく損害賠償額であり、精神的損害に対して支払われた慰謝料や物的損害に対する賠償などは対象とならない。

自賠責保険労災保険

労災保険の保険給付が先に行われた場合には、政府は、保険給付額について自賠責保険に対し求償を行い、また、自賠責保険の支払が先に行われた場合には、その限度額で、労災保険の保険給付は行わないことになる。 ただし、労災保険の適用を先に受けた被害者は、なお休業損害の40%ならびに労災保険から給付を受けられない損害部分(例えば、慰謝料とか近親者の付添看護料など)については、自賠責保険に請求できる。 自賠責保険と労災保険とは、法律上いずれを先に請求しなければならないという規定はないが、実務処理上は、原則として自賠責保険への請求・給付が先行して行われる。

自賠責保険と健康保険

この両者の関係についても、健康保険法第67条の請求規定により、上記労災保険の処理に準じて行われている。