株主代表訴訟保険(会社役員賠償責任保険)について
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会社役員賠償責任保険加入のメリット

1. 役員が安心して経営に専念できます。

今日のグローバル化した経済状況のもとでは、日々刻々と変化するビジネスチャンスを最大限に生かして会社を発展させるために、役員の職務は益々複雑かつ高度になっています。
一方平成5年の商法改正以来、役員の責任を追求する株主代表訴訟の数は急増しており、役員に対する訴訟のリスクは非常に大きなものとなってきています。
もし役員が訴訟を意識するあまりに、経営判断を保守的に偏らせれば、会社の発展や活性化に大きな支障をきたすことにもなりかねません。

「会社役員賠償責任保険」により、このようなリスクに備えておけば、役員も安心して経営に専念することができましょう。既に7割以上の上場企業がなんらかの「会社役員賠償責任保険」加入しているともいわれています。


2. 役員の個人財産を守る保険です。

株主代表訴訟は、株主が役員に対して個人責任を問うことのできる制度です。役員が法律に従い、誠実に業務を執行していてもその結果によっては、代表訴訟を提起されることがあります。
仮に敗訴した場合、役員は自己の財産から損害賠償金を会社に対して支払わなければなりません。
また勝訴したとしても、弁護士費用は原告に求償できないケースも多く、結局役員の自己負担になってしまいます。
また、監視義務違反を理由に他の役員の行為について連帯して責任を追求される場合など、直接違法行為に関与していない役員も含めて高額賠償が命じられるケースもありましょう。
更に役員が職務の執行に関連して、取引先、従業員、買収の相手方、地域住民等の第三者から個人的に責任を追求される場合にもこの保険で対応しています。

「会社役員賠償責任保険」では、ご契約者は会社ですが、基本的に役員個人の訴訟による財産的損害に対応する保険です。
また「会社役員賠償責任保険」は弁護士費用等の争訟費用にも対応していますので防御費用を確保する観点からも有効です。


3. 役員退任後も保険のカバーが受けられます。
役員在任中の行為についての損害賠償請求は通常損害発生時より10年間は提起されることがあります。従って役員退任後に責任を追求される可能性があります。

「会社役員賠償責任保険」は、保険契約が継続している限り退任後の役員の責任についてもカバーしています。


4. 役員の相続人も保険のカバーが受けられます。
訴訟が提起され、判決が確定していないうちに役員が死亡した場合などには、多額の争訟費用や敗訴の場合の賠償金の支払債務などは相続の対象となります。

「会社役員賠償責任保険」はこのような相続人の負担についても保険契約が継続している限りカバーしています。


5. 訴訟費用につき前払いが受けられます。

訴訟には長い時間がかかり、その間の弁護士費用等の争訟費用は非常に大きなものとなります。仮に勝訴となったとしても、その間の経済的負担は役員の個人負担となります。
特に株主代表訴訟によって訴えられた場合、役員は会社と相反する立場に置かれるため、会社の顧問弁護士への相談もできないとされています。また、訴えに対する防御のための情報収集にしても会社の従業員を使用することはできないとされています。

「会社役員賠償責任保険」では、免責条項に該当しない限り、紛争の解決に先立って争訟費用をお支払いすることができます。(但し、免責金額を超える部分に限ります)



役員の責任と株主代表訴訟

1. 会社役員の責任
会社役員は、会社との委任契約に基づいて、業務遂行上様々な義務を負っています。
対会社

善管注意義務違反(会社法第330条、民法644条)
忠実義務違反(会社法第355条)
競業取引規制違反(会社法第356条第1項第1号)
利益相反取引規制違反(会社法第356条第1項第2号第3号)
分配可能額を超えた剰余金の配当(会社法第461条第1項第1号から第8号)
分配可能額を超えた自己株式の取得(会社法第461条第1項第1号から第7号)

対第三者

取引先・ユーザーからの訴訟(会社法第429条、民法第709条)
投資家(株主、社債保有者など)からの訴訟(金融商品取引法第21条、22条、会社法429条など)

役員が、これらの義務に違反して会社に損害を与えた場合はその損害を賠償する責任が発生します。同様に、職務遂行に起因して第三者に損害を与えた場合にも第三者に対して損害賠償責任を負います。

[会社役員に対する責任追及の具体例]

〜株主代表訴訟または会社訴訟〜

会社から役員個人への商品の廉価販売
不要な土地の買戻保証による取得
自己株式の違法取得
倒産寸前のグループ会社への融資
有利な価格での新株の第三者割当

〜取引先その他の第三者からの提訴〜

融通手形の交換先倒産による連鎖倒産
社員の詐欺・横領
欠陥商品の販売
粉飾決算

上記の様な訴訟が提起された場合、訴えられるのは実際に行為に携わった役員だけではありません。
他の役員も、「監視義務違反」を理由として連帯して責任をとることが要求されます。
※ 実際に行為に携わった役員本人は、この保険の免責に該当し、保険金が支払われない場合があります。


2. 急増する株主代表訴訟
株主代表訴訟とは、会社役員が経営判断ミス等により会社に損失を与えた場合に株主(原告)が会社に代わって取締役(被告)に対する損害賠償請求を提訴するものです。
※株主が賠償請求する損害は『会社が被った損害』であるため、本来は会社が取  締役に対して請求すべきものですが、実際には会社が積極的に取締役の責任を追求することは殆どないと考えられています。このため、商法第267条では<株主代表訴訟>という制度によって株主の権利行使を認め、会社と株主の利益の回復を図っています。
株主代表訴訟制度は、平成5年10月の商法改正により、
訴訟に係る申立手数料(印紙代)が、損害賠償請求額の大小に関係なく一律8,200円となりました。

<例>請求額470億75百万円の代表訴訟手数料

平成4年民訴費用法改正まで   225,382,600円

平成5年商法改正まで             95,267,600円                     約1/ 27,485

平成5年商法改正以降 
                 8,200円                              に下がる

原告株主勝訴の場合には、従来認められていた弁護士費用(妥当な範囲内のもの)相当額に加えて、調査費用等の訴訟を行うために必要と認められる費用相当額についても会社に対して費用支払請求を行うことを認めたことにより、訴訟に伴う株主の経済的負担が軽減され、訴訟の提起が従来と比べて容易になりました。
商法改正以降、確実に株主代表訴訟は増加しています。
株主代表訴訟 係属件数



あいおいニッセイ同和損保の会社役員賠償責任保険(D&O保険)

1. 会社役員賠償責任保険(D&O保険)の概要

会社役員賠償責任保険(D&O保険)は、会社役員(取締役・監査役)がその業務執行にあたって、過失により会社や第三者に経済的な損害を与えたとして保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、役員が個人として負担すべき法律上の損害賠償金及び弁護士費用等の争訟費用をお支払いする保険です。

<参考:会社役員に対する損害賠償請求の類型とD&O保険>

2. あいおいニッセイ同和損保のD&O保険
適用地域

日本国内のみならず、全世界を適用地域とすることができます。
役員に対する責任は、海外(特に北米)では日本国内以上に厳しく追及されます。海外で活発に活動をされている企業におかれましては、全世界を適用地域とすることをおすすめします。

≪会社補償担保特約条項について≫

海外では役員が負担した損害賠償金を、会社が補償することができる【会社補償制度】が法的に認められている国または州があります。この特約条項を付帯することによって、この制度のもとで会社が役員に補償したことによって被る損失を担保することができます。(海外子会社役員を被保険者に含める場合に付帯します。)
日本では会社補償の規定がありませんので、被保険者を親会社の役員に限定したり、適用地域を日本国内のみとした場合には、この特約条項を付帯する意味はございません。
保険契約者と被保険者
保険契約者・・・・・ 貴社
被保険者・・・・・・・ A:貴社の全ての役員(取締役・監査役)
B:貴社の記名子会社の全ての役員
上記役員は初年度契約開始日以降に退任された役員も含みます。また、役員が死亡さ れた場合は相続人が、破産された場合には管財人がそれぞれ役員本人とみなされます。
保険期間中に新たに役員となられた方も保険の対象となります。
どの子会社の役員を被保険者に含めるかは任意にご選択いただけます。
子会社とは、直接所有・間接所有を問わず、貴社が子会社の発行済みの株式の50%超を保有し、かつ、保険証券面に記載された法人をいいます。
海外子会社の役員を被保険者に含める場合は、明記することにより、“Officer”を被保険者に含めることができます。
我国で採用されている「執行役員制度」は、商法上の規定がないため、執行役員の会社との関係やその権利・義務は、各会社の個別の内規にて定めているのが実状です。したがって、執行役員を被保険者に含める場合は、「執行役員規定」等をご提出いただき、弊社が「役員に準ずる者」として認めた場合に限り対応されます。

3. 主な免責事項
免責事由の分類
免責事由

会社役員の行為内容

1 会社役員が私的な利益または便宜の供与を違法に得たこと
2

会社役員の犯罪行為または法令違反を認識しながら行った行為(認識していたと客観的に判断できる合理的な理由があった場合を含む)

3 会社役員に報酬または賞与が違法に支払われたこと
4 会社役員が公表されていない情報を違法に利用し会社の株式等を売買したこと(インサイダー取引等)
5 政治団体・公務員または取引先の会社役員・従業員等に対する違法な利益供与(贈賄・総会屋への利益供与等)

保険期間との関係

6 初年度契約の開始日以前に行われた行為に起因する一連の損害賠償請求
7 保険期間開始日前に会社に対して提起されていた訴訟及びこれらの訴訟の中で申し立てられた事実と同一または関連する事実に起因する損害賠償請求
8 保険期間の開始日において、損害賠償請求がなされるおそれのある状況を会社役員が知っていた場合
9 保険期間の開始日以前に会社役員に対してなされていた損害賠償請求で申し立てられていた行為に起因する一連の損害賠償請求
その他 10 環境汚染・原子力危険に関連する損害賠償請求
11 身体の障害、財物の損壊または人格権侵害に対する損害賠償請求
12 会社または他の役員が提起した、または関与した損害賠償請求
13 大株主が提起したまたは関与した損害賠償請求
14 保険期間終了後に損害賠償請求があった場合
※これ以外にも業務内容等を勘案して個別に免責事項を設定することもあります。

4. てん補限度額と免責金額
てん補限度額(保険金額)とは
保険期間中に保険会社がお支払いする保険金の限度額です。
(てん補限度額は、損害賠償金+争訟費用−免責金額の合算額に対して適用されます。)

一般に株主代表訴訟をはじめ会社役員が損害賠償請求を受ける場合には、請求額が億単位と極めて高額になることが予想されますので、相応のてん補限度額での契約が必要となります。
判決最高額

被告役員11人に対して
総額7億7500万ドル〔 約853億円 〕
の支払命令   (H12年9月 大阪地裁)
免責金額について

保険金の支払いに際し、被保険者自身に負担していただく金額です。
損害の合計額が免責金額を超えた場合に限り、超過額に後述の縮小てん補割合を乗じた額を
のてん補限度額を限度に保険金としてお支払いします。
免責金額は被保険者1名あたり、1請求あたりの金額を設定していただきます。

縮小てん補割合について
縮小てん補割合とは、免責金額を超える損害額のうち、保険金を支払う割合をいいます。通常95%で設定させていただきます。

5. 支払われる保険金
支払われる保険金の内容

役員が、会社の役員としての業務行為に対して保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に次の保険金をお支払いします。

A 法律上の損害賠償金(示談金、和解金を含む)
B 争訟費用(弁護士着手金、報酬金、法廷費用、調査費用)

支払われる保険金の額

ご契約時に設定される保険期間中の支払限度額を限度額として、損害額より免責金額を差し引き縮小てん補割合を乗じた額を保険金としてお支払いします。

支払保険金=[(損害額−免責金額)×縮小てん補割合]≦保険期間中の支払限度額

<支払保険金計算の例>

   契約内容:てん補限度額  ... 5億円

            免責金額     ...100万円

            縮小てん補割合 ...   95  %

この契約において、賠償額2億円、争訟費用5,000万円の損害賠償請求が発生し、認められた場合の支払保険金計算は、

       ( 2億円 + 5,000万円100万円 ) × 95%

             損害額          免責金額  縮小てん補割合

                                                   =  2億3,655万円

この場合、役員自己負担は最終1,345万円となります。


6. 保険料の負担について
会社と役員の負担

基本補償(普通保険約款)部分については会社が保険料を負担し、株主代表訴訟敗訴の場合に係る「株主代表訴訟担保特約」部分については役員負担となります。
保険料負担の比率は通常、全保険料に対して会社90%/会社役員 10%となります。

※株主代表訴訟で役員が敗訴する場合には、会社と役員との利益が相反するため敗訴の場合を担保する保険の保険料を会社が負担することは商法上問題があると考えられています。

なお、株主代表訴訟が起こるおそれのない会社(貴社の100%子会社)の役員は、個人負担の必要はありません。

         
子会社との分担
基本的に親会社と子会社との総資産の割合によって保険料の負担割合を決定します。
特約保険料の役員間での配分
取締役会および監査役会の協議において合理的な配分方法を決定されると思われますが、実務上は次の方法が課税上許容される合理的な基準と考えられます。
A 役員の人数で均等に分担
B 役員報酬に比例して分担
C

商法上の役割別に分担
商法に定められた代表取締役、取締役、監査役ごとにそれぞれの役割に応じた額を定める方法です。

尚、いずれの場合も退職役員からの保険料徴収の必要はありません。

詳しい企画書はこちらからダウンロードしてください。
三井住友海上社 会社役員賠償責任保険
あいおいニッセイ同和社_会社役員賠償責任保険(平成22年10月版)

このページは「あいおいニッセイ同和のD&O保険」の概要を示したものです。詳しくは弊社にお問い合わせください。